真面目な音楽の話

Both Sides Now〜青春の光と影

皆さんは「Both Sides Now」という曲を知っていますか?

カナダのシンガーソングライター、Joni Mitchell氏の作詞作曲した曲で、日本では「青春の光と影」というタイトルで呼ばれています。

Judy Collinsによってレコーディングされて大ヒット。以降多くのミュージシャンにカバーされています。

僕は原曲も勿論好きですが、矢野顕子と森山良子のユニット「やもり」がカバーしているバージョンが一番好きです。このカバーはやもりのアルバム「あなたと歌おう」に収録されているので興味のある方は是非。

僕の周りではあまりこの曲を知っている人がいなかったのでこの際だから皆さんにもおすすめしておきますね。

ちなみに、トイ・ストーリー4の予告編にこの楽曲が使われていたのに気付いた時はものすごくテンションが上がりましたね。本編では一切流れませんでしたけど。

メロディの美しさも素晴らしいですが、何より歌詞が素晴らしい。

Joni Mitchellはたまたま読んでいた「雨の王ヘンダソン」(Henderson the Rain King)という本の一文から強いインスピレーションを受けたそう。

その一文とは、

人が雲を見上げ、また見下ろせるようになった時代に、死ぬことなど恐れるに足らず

といったもの。

I’ve looked at clouds from both sides nowという歌詞が出てきますが、この本の影響だといいます。

最初に雲の話から入るのもそのせいかな。

まず歌詞では「雲というのはまるで天使の髪の毛?アイスクリームのお城?羽毛の峡谷?私には雲はそのように見えていた」と始まり、「だが今では雲というのはお日様の光を遮る邪魔者としか思えない」と続きます。

そして、「雲というものを両方の側から見た。結局のところ、私は雲のことなんて何も知らないのだ」と締めています。

歌詞の1番は上記のように「雲」について。そして2番では「愛」、3番では「人生」についての話になります。

原題を訳すと「今、両側の面から」といったところでしょうか?

見る角度を変えれば見方も変わってくる。

この場合「両側」というよりも「子供の頃の自分と大人になった自分」のものの見方のことかもしれません。

歌詞を全て掲載するのは権利関係上まずいと思うのでここには載せませんが、本当に考えさせられる歌詞だと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、先日この楽曲のレコーディングを行いました。

以前も当ブログの記事に登場した、尺八を世界に広めるためのYouTubeチャンネル、「Ensemble Japan」に編曲作品を提供させて頂いているのですが、それが今回は「Both Sides Now」というわけです。

洋楽を尺八にアレンジするのは難しかった・・・。

是非聴いてみて欲しい1曲です。

今回はロケを埼玉某所にて行いました。

のどかな場所です

都内から車を飛ばして約1時間半。

幸いなことに周りに人もおらず、遠慮なく撮影に使わせて頂きました。

録音、撮影、編集全て一人で行う、代表の勝俣氏

日本ではあまり知られていない、心に染みる名曲。是非、色々なバージョンを聴いてみて欲しいと思います。

今回は「Both Sides Now」を紹介しましたが、これからもこのチャンネルには色々な楽曲を提供していく予定ですのでチャンネル登録もよろしくお願いします!

ABOUT ME
condzoomin
指揮者・ピアニスト・愛猫家。ショスタコーヴィチの作品研究と演奏をライフワークにしています。好きな日本酒は浦霞。