公演レポート

過去一番の難曲「ドイツ・レクイエム」

演奏会の振り返りもようやく追いついてきました・・・

2025年10月26日(日)

横浜交響楽団第743回定期演奏会に出演しました。

曲目は、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」。

2022年から、横響合唱団の皆さんとは、色々な曲に取り組んできました。

モーツァルト/レクイエム、クレド・ミサ

ハイドン/聖ニコライ・ミサ

ヴェルディ/レクイエム

プッチーニ/グローリア・ミサ

ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱つき」

などなど・・・

そして、今回演奏した「ドイツ・レクイエム」は間違いなく過去に取り組んできた楽曲の中で最も難しかったと思います。

合唱団は75分ほとんど歌いっぱなし。容赦無く高い音が連発されます。

ヴェルディのレクイエムも90分近い演奏時間ですが、あちらはソリストだけで歌唱する楽曲があったりと合唱団が休む時間が取られているので・・・負担で言えばドイツ・レクイエムに軍配が上がりますね。

4月定期「グローリア・ミサ」が終演してから約5ヶ月半、この曲の練習に取り組んできました。

当日は、あいにくの雨。雨男っぷりを、ここでもしっかり発揮しました。

ですが、演奏会本番は700名近いお客様が足を運んでくださいました。ありがたいことです。

こちらは当日の、ステージリハーサル前の様子。出演者が所狭しと並んでいます。

演奏は、もちろん反省点はいくつもありますが、とても素晴らしいものになりました。

演奏が進むにつれて奏者の集中力も高まってゆき、最後の「Selig sind」にたどり着いた時は思わず泣きそうに。

昨今「フライングブラボー」「フライング拍手」なるものが問題化しておりますが、演奏が終わってからもたっぷり10秒、心地よい沈黙が会場を支配し・・・

最高に愛おしい75分でした。

ソリストのお二人の歌唱も大変素敵でした。

ソプラノの山本澄奈さんは大学の同級生なのですが、舞台での共演は初めて。卒業して何年も経ちますがこうやって仕事の場でお会いできるのは嬉しいものです。

バリトンの石本高雅さんは、2年ぶりの共演。現在はドイツ在住ですが、帰国のタイミングと今回の演奏会の日程が上手く噛み合ったためご出演いただけました。

素晴らしい共演者に囲まれ、とても素敵な時間を過ごしました。

この時期、本当に忙しくてプライベートな時間というものを全くと言っていいほど持てなかったのですが、久しぶりに打ち上げでお酒を楽しみました。

やはり人間、適度な息抜きも必要ですね。

大変な曲でしたが、終わってしまうと寂しいものです。おそらく数年単位でこの曲に触れる機会はやってこないでしょう。書庫にスコアをしまう時に「次にこの曲ができるのは何年後だろうか」と、ふと考えました。

貴重な機会をいただけたと、感謝しています。

ABOUT ME
condzoomin
指揮者・ピアニスト・愛猫家。ショスタコーヴィチの作品研究と演奏をライフワークにしています。好きな日本酒は浦霞。