公演レポート

ロマーシュカ・フィルハーモニー第2回演奏会に寄せて

年が明けてしまう前に、この演奏会だけは振り返らなくては!!

・・・ということで、2024年9月28日(土)に開催された、音楽監督を務めているロマーシュカ・フィルハーモニーの2回目の演奏会について。

会場は、ホームである杉並公会堂。

ロマフィルは、ショスタコーヴィチの戦争三部作(交響曲第7番〜第9番)を制覇するという目的で結成されたオーケストラです。結成して間もなくコロナ禍による活動の無期限休止の憂き目に遭い、3年の沈黙を破り昨年遂に創立記念演奏会の開催が実現しました。

2回目となる今回は、戦争三部作の2曲目「交響曲第8番」を取り上げました。

正直、過去に指揮したどの曲よりも難解で、苦労の連続でした。

ゲスト・コンサートマスターとしてご出演いただいた神奈川フィルの桜田悟先生を始めとした素晴らしい講師チームに助けられて、なんとか完奏しました。

当日リハーサルの様子。ショスタコーヴィチのイニシャルを音名に置き換えた「DSCH」のTシャツを着て気合充分!

交響曲第7番ほどの知名度はありませんが、ショスタコーヴィチ節が全開の素晴らしい作品で、最初は「????」だった団員たちも練習が進むにつれて交響曲第8番に魅了されていくのでした。

また、前半のプログラムには前回の「十月革命」同様に生演奏で聴く機会の少ないレア曲を取り上げました。

オペレッタ「モスクワのチェリョムーシカ(モスクワ・チェレムシキ)」組曲です。

こちらはショスタコーヴィチの作曲したオペレッタをA.コーナルが編曲したもので、吹奏楽アレンジをたまに聴くかな?程度のなかなか演奏されない楽曲。

後半の交響曲第8番が深淵を覗き込むようなディープでヘビーな楽曲なのに対して、こちらは底抜けに明るい楽曲。そのコントラストをお楽しみ頂けてたら嬉しく思います。

今回、交響曲第8番を聴いたお客様の頭上に「?」マークを浮かべたまま終わらせたいと考えており、不完全燃焼感を演出できたら・・・と思っていました。

これは「終わり」じゃない、まだ続きがある・・・という感覚を残して来年の「完結編」に繋げていきたいです。

「戦争三部作全曲演奏会・完結編」は2025年9月28日(日)。ちょうど第2回演奏会から1年後に同じ会場で開催されます。

公式Twitter(X)から、新規メンバーの募集も行っています。

この壮大な企画に一緒に挑戦しませんか?

ABOUT ME
condzoomin
指揮者・ピアニスト・愛猫家。ショスタコーヴィチの作品研究と演奏をライフワークにしています。好きな日本酒は浦霞。