昨日は僕が音楽監督を務める「21世紀オーケストラ」による某小学校の芸術鑑賞教室でした。
午前中に低学年の部、午後に高学年の部と2公演。それぞれ約80分ずつのプログラムです。
プログラムとしてはベートーヴェンの《運命》第1楽章やドヴォルザーク《新世界より》第4楽章、フィガロの結婚序曲などの超王道オーケストラ曲の他に、
・指揮者体験
・オーケストラ伴奏でみんなで歌おうのコーナー
・楽器紹介コーナー
などを用意していました。
司会は僕が兼ねたのですが、やはり喋るのは難しいですね。
例えば運命の説明をします、となった時にそれを説明すること自体は難しくないんですが、相手は小学1年生。
どう噛み砕いて説明するか、どんな言葉を使うかなど、ものすごく頭を悩ませました。
実際、本番では子供たちもかなり真剣に耳を傾けてくれていました。ありがたいですね・・・。
僕の言いたいことがどれくらい伝わったかな(笑)
小学生となると、普段オーケストラの演奏を生で聴く機会はほとんどないでしょう。(僕は中学に上がるまで演奏会に行った記憶はないです)
だから興味を引けたのかもしれません。演奏中も食い入るように聴いてくれた子がほとんどでした。
指揮者体験コーナーは、各クラスから代表1名が実際にオーケストラの前に立って指揮をしてみるといったコーナーで、見事としか言いようがないくらい綺麗に棒を振る子が何人かいたのには驚かされました。
「好きなテンポで振っていいからね」と言ったら物凄く遅いテンポで始める子や、逆に前の子が振ったテンポよりも早くしてみようと挑戦する子、わざとなのかそうなっちゃったのか、曲中でテンポを揺らす子と様々。
指揮者によって同じ曲でもここまで違う、ということを何となく理解してくれたのだと思います。
教職員の方も無茶振りで挑戦させられていましたが、結構皆さん上手でした(笑)
楽器紹介コーナーでは、各楽器がソロあるいはパート内でのアンサンブルを披露。
面白かったのは、
・ヴァイオリンが情熱大陸を弾いた時、「あ、ベートーヴェン!」という声が上がった
・低学年の部も高学年の部も、ヴィオラの紹介の時に「この楽器の名前、知ってる人!」と問いかけたら自信満々に「チェロ!」と答えが返ってきた
・チェロの紹介の時に、同じく楽器の名前を知っているか聞いたら「チェロ派」と「コントラバス派」が半々くらいだった
・クラリネットの知名度が意外と低い
・打楽器の紹介の時に小物楽器としてスライドホイッスルを紹介したら大ウケで、アンコールがかかった
いやー、子供達の反応が本当に面白かった。
みんなで歌おうのコーナーでは今日のためにアレンジしたオーケストラ伴奏による校歌を歌ったり、合唱曲を一緒に歌ったり。
「歌」というより「絶叫」になるだろうなと予想していたんですが(失礼)、澄んだ歌声が響いてきたのには驚かされました。低学年の部でもちゃんと2部合唱になっていたり。
まあ、校歌は若干絶叫でしたが。
終演後、ブラスバンド部の子供達かな?打楽器を教わりにくる場面などあり、ほっこりしました(学校から写真掲載の許可は頂いています)。
同じスネアドラムを叩いているのに、どうしてこんなに音が違って聴こえるの?と興味津々。
他にもコントラバスの弦を弾かせてくれ、とお願いしに来た子やトロンボーンのスライドを触らせてくれとやってきた子も。
こういう反応は、とても嬉しいですね。
それと、体育館から子供達が教室に帰る際に、皆「ありがとうございました」と言ってくれたりや手を振ってくれたりして、楽団員も皆笑顔になっていましたね。
21世紀オーケストラが芸術鑑賞教室の演奏を務めるのはこれで2回目ですが、これからもこういった教育的活動にも力を入れていきたいと思っています。
無事2公演とも終了し、家に帰ってゆっくり休む・・・
というわけにはいかず、この日は夕方からオペラの稽古があり練馬区まで急行しなくてはなりませんでした。(小学校は千葉)
体力的には限界を迎えつつあり、運よく全ての電車で座れたので爆睡。
電車を待っている駅ではドーピングを行いました。
脳が甘いものを欲していたので・・・。
稽古は立ち稽古といい、演出をつけて実際に動きながらの稽古になります。こちらも本番を20日後に迎えて、熱が入っております。
歌劇《道化師》の合唱はかなり難しく、動きながらだとボロボロ・・・。僕もなるべくリカバリーしようと指示を出しながら棒を振りましたが、まだ上手くいかない部分も多かったです。
次の稽古で挽回します。
3時間ほぼ休憩なしでみっちり稽古。体力は限界をとうの昔に超えていました。
ですが、ここまで疲れるとなんだか珍しくお酒を飲みたい気分になり、
行きつけの居酒屋で一人飲み。
仕事帰りに居酒屋に立ち寄るサラリーマンの気持ちがなんとなくわかりました。体に染み渡る。
帰宅してからはシャワーを浴びてすぐに就寝。
このブログを書いているのは11月1日の昼過ぎですが、ついさっきまで一度も目を覚ますことなく寝ていました。
最近仕事を詰め込みすぎた感は否めないので、適度に体を労ってやりつつ、頑張っていきたいものです。