公演レポート

横浜交響楽団第709回定期演奏会に寄せて

こんばんは。泉です。

2021年3月14日、客演指揮者を務めているオーケストラ、横浜交響楽団の定期演奏会でした。

元々はロシアン・プログラムとしてラフマニノフとチャイコフスキーの作品を取り上げる予定だった今回の演奏会。

新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からホールの舞台に乗れる人数に大幅な制約が設けられたため、オーケストラの編成の規模的にそれらの作品の演奏はどうしても難しい・・・ということでプログラムを変更し、昨年が生誕250周年だったベートーヴェンの作品を演奏することになりました。

曲目は元々、上のチラシの画像に載っている「交響曲第1番」「交響曲第5番」に加えて、「プロメテウスの創造物」序曲も演奏する予定でした。

しかし、年明けすぐに緊急事態宣言が発令。さらにそれが延長されることもあり、練習時間がかなり削られてしまったため、泣く泣く序曲の演奏を取りやめて交響曲2曲に集中しようという事になったのでした。

前回の更新で、2月11日に出演したレベックアンサンブル東京の公演レポートを書きましたが、

今回も同様に、コロナ禍でどのような制約があったのか、活動内容をどのように変更していたのかを書いていこうと思います。

どのような変更があったのか?

コロナ禍で、舞台に人が乗り切らない

前述の通り、今回使用したホールの舞台上に乗れる人数には厳しい制約がありました。

更に演奏者同士の間隔は2メートル空けなくてはならず、ラフマニノフやチャイコフスキーのような大編成のオーケストラはそもそも舞台に乗り切りませんでした。

そのため、管楽器や打楽器の人数がそれらに比べると少ないベートーヴェンの作品が選ばれました。昨年は生誕250周年でしたがベートーヴェンを演奏する機会もかなり失われてしまったことと思いますから、良い機会でした。

緊急事態宣言の延長で・・・

横浜交響楽団は通常では平日の夜に練習を行なっています。

しかし、新年早々緊急事態宣言が発令された事により練習場が20時までしか使えなくなりました。

そのため1月中の練習をほとんど中止せざるを得なくなり、充分な練習時間の確保が難しいという理由から序曲をカットし、交響曲第1番、第5番の2曲に集中することに決まりました。

僕が指導している他の団体にも平日夜に練習しているところがありますが、やはり軒並み練習は中止になっていました。仕方のない事だとは思いますが。

演奏会を開催するという決断

平日の練習が2月まで全滅。しかもその後更に緊急事態宣言は延長となりました。

もう練習場も確保できないし演奏会は中止になってしまうか・・・?と覚悟はしていました。

しかし、楽団側は開催を決断してくださいました。

平日の練習はほぼ諦め、出演メンバーで予定を調整し、ある時は土曜日の朝から。ある時は日曜日の午後から。

かなり変則的なスケジュールでしたがなんとか週に1回の練習を確保する事ができました。

これに関しては運営の皆様の努力があったからです。

練習会場のホームページを定期的に確認し、空きが出たらすぐ確保してメンバーのスケジュールを押さえて・・・という感じでもの凄い作業量だったと思います。本当に頭が上がりません。

結果的に予定していた練習よりも7回ほど少ない練習回数になってしまいましたが、空き時間にパートで集まって自主練習をしたりして、少しでも完成度の高い演奏を目指していました。

演奏会は無事に終演。

そして迎えた3月14日。

前日の嵐が嘘のような快晴です。

会場は神奈川県立音楽堂。桜木町駅から10分ほど。

このホールは感染症対策もかなり厳しく、例を挙げると・・・

・舞台に乗るための靴とそれ以外の場所を歩く靴は分けること。

・弦楽器は原則マスクを着用して本番に臨むこと。

・管楽器も長い休符の際はマスクを着用すること。

・曲ごとに参加するメンバーが違うパートは、その都度譜面台と椅子を消毒すること。

などです。

幸い(?)指揮者は本番中のマスクは免除してもらえました。さすがに酸欠になって倒れたくはないですからね・・・(普段のリハーサルはマスク着用で臨みましたが本当にきつかったです)

ホールは約1000席ですがそれを半分にしての開催。8〜9割の座席が埋まったそうで、勿論この楽団は創立から89年という歴史ある楽団ですから固定客も多いでしょうが、それでも皆さん生演奏を渇望しているのだと嬉しい気持ちになりました。

未だ収まる兆しの見えないコロナ禍。

多くの団体が演奏会の開催を断念する中、なんとか活路を見出して無事終演まで漕ぎ着けることができ、本当に有り難く思っています。

昨年24もの公演がキャンセルとなり、音楽に対するモチベーションは地の底まで落ちていました。

今年はまだブログに書いていないものも含めると3つ、演奏会に携わることができています。(この時点で去年より多い・・・)

舞台上で演奏者と、お客様と素晴らしい時間を分かち合うことができたことで、やはり自分はこの道を前を向いて歩いていこうと思いました。

約2ヶ月半。ご一緒させて頂いた横浜交響楽団の皆様に、心より御礼申し上げます。

また共に演奏できる日を、心から楽しみにしています。

横浜交響楽団 客演指揮者   泉 翔士

ABOUT ME
condzoomin
駆け出しの指揮者。三度の飯より飯が好きなのでよく太る。 クラシックの演奏家だが、休日はバンドでベーシスト。