真面目な音楽の話

自己流ピアノ練習法を語る

こんばんは。

先日行われた岡山県高梁市でのウィンターフェスタ。ピアニストとしてイベントに出演させて頂きました。関係者の皆様、本当にお世話になりました。

こんなチラシも作って頂きました

このイベントに来てくれていたとある親子から終演後に話し掛けられまして。

どうやったらピアノが上達するんですか?と聞かれました。

その子は5歳からピアノを習い始めてやっと1年ちょっとだそうで・・・そういえば僕が始めたのもだいたいそのくらいだったと思います。

どうやったら上達するか、というのはとても難しい問いですね。その時はその子にピアノは好きかと聞いて「好き」という答えが返ってきたので、「ピアノを好きでいることが一番ですね」とかもっともらしいことを言いましたが・・・。

今日の更新では、自分が幼少期からの付き合いであるピアノにどう向き合ってきたか、だらだらと書いてみようと思います。

ピアノに本気で向き合い始めたのは15歳

幼少期、僕にとってピアノは「敵」に近いものでした。

親に無理やり習わされていたという意識の方が強かったですね。

それでもたまに「楽しい」と思える瞬間があったためか、嫌々ながらもレッスンには通い続け(たまにサボりながら)、中学生に上がってもなんとなく弾いていました。

周りの上手な女の子たちがドビュッシーだのショパンだのを弾き始めた小学校高学年。自分はまだ半年に1曲仕上げるのがやっと・・・といったところでした。練習も、親に「今日はまだ練習してないでしょ!」と怒られてからやっと重い腰を上げてピアノに向かっていました。

発表会で弾いた曲ですが、

ランゲ(Gustav Lange)/荒野のバラ

ブルグミュラー(Franz Burgmüller)/トルコ風ロンド

あたりは記憶に残っています。

この記事を書くために検索してみて知ったんですがトルコ風ロンドってブルグミュラーだったのか・・・。

懐かしい気分でYouTubeの演奏動画を見てました。

中学1年、初めてショパンの楽曲を弾くことを許され、この辺からようやく自主的に練習するようになってきました。

中学生に上がったことで、合唱コンクールとか音楽の授業で最初に歌う校歌の伴奏とか、ピアノを人前で弾く機会が多くなったというのも大きいかもしれません。

15歳、中学3年生。この頃、指揮者になりたいという夢ができ、音大に進学するにはピアノが弾けないといけない!ということを知り、必死になって練習を始めました。

高校生の頃の練習メニュー

高校生に上がり、音楽大学の受験まであと3年切ったというところで焦りもありましたが、まずは周りの音楽を志す学生に比べて遥かに遅れているという事を自覚し、地道な練習に励むことにしました。

休日(完全オフ日)の練習スケジュール

午前中9時からスタートです。

・音階4オクターブ 全24スケール

全ての音階を4オクターブ、2往復。カデンツ付き。そのあとは変奏を交えながらもう2往復ずつ。

・ハノン

ハノン練習曲の1番から5番までを、楽譜通り⇨変奏1⇨変奏2⇨楽譜通りの4往復。

変奏の内容は曲集の巻頭についている変奏パターンから2つ選択。

その他、ハノンの曲集に掲載されているアルペジオの練習など。

・インヴェンションとシンフォニア

その日によって曲は変える。

・平均律クラヴィーア

1ヶ月くらいかけて1曲ずつ。

だいたいここまで基礎練習として行うと12時を過ぎるので、一旦休憩を取ったあと、曲の練習に入ります。

13時〜17時くらいまではレッスンで課題とされている曲を中心に練習を行います。当時はリビングの扉1枚挟んだ隣の部屋にピアノがあったものですから、夕方以降は基本的に弾けませんのでそれ以降は楽典や和声などの受験勉強。

だいたい休日はこんな感じに練習しておりました。

部活動がある日の練習スケジュール

吹奏楽部に所属しており土日もだいたいは練習でしたから、上記の完全オフ日の練習というのはなかなかできません。

部活動が午前中のみの日は、部活動が始まる1時間前くらいに学校に行き、40分ほど基礎練習をしてから部活動に向かいました。

音楽科がある学校ではないのですが、校舎内に「ピアノ練習室」という部屋が2部屋あったため、練習に困ることはありませんでした。

帰宅してからはだいたい2〜3時間くらいは練習する時間があるので、完全オフ日の練習スケジュールの短縮版を行う感じでした。

逆に部活動が午後からの日は午前中に基礎練習を中心に2時間ほど練習してから学校に向かっていましたね。

平日の練習スケジュール

吹奏楽部の朝練が、自由参加の学校でした。

なので、だいたい朝は先述の「ピアノ練習室」にて30〜40分ほど練習をしてから教室に向かっていました。流石に夏の吹奏楽コンクール前などは部活の朝練を優先していましたが。

昼休みも30分ほど練習。部活動を終えて帰宅すると19時近くなるのですが、平日は少し遅い時間までの練習が許されていましたので2時間ほど練習。

学校で基礎練習を行い、家に帰ってから曲の練習、という感じでした。

今振り返ってみると、よくここまで頑張れたものだと思います。

今は朝早く起きて練習するという姿勢が失われ、代わりに夜遅くに練習しています・・・。不健康。

先生からの教え

やはり弾くからには、どんどん上手くなっていきたいものです。

ただがむしゃらに弾いても、時間をかければそれは上達するのかもしれませんが、やはり効率的とは言えません。

僕が先生から教わって、今でも守っている方法を簡潔に書いてみようと思います。

何よりも基礎が大事

これはピアノに限ったことではないと思いますが・・・。

やはり基礎練習というのは退屈かもしれませんが、大事なものです。

特にスケールが頭に入っていると、譜読みのスピードが上がる。

楽譜を見たときに適切な運指が無意識にできるようになる。

当たり前ですが本当に大事な事です。

僕は今でもスケールとハノンは欠かさずにやっています。

練習量が多ければいいというものでもない

練習時間を増やせば上達するというものでもありません。

大切なのは「頭を使う事」だと僕は何度も言われました。

なぜ間違うのか、適切な運指は何か、どう歌うべきか。考えることはたくさんですね。

自分の音を客観的に聴く

今は録音の手段がとても発達したものだとしみじみと思います。

僕が本格的にピアノに向き合い始めた中学3年〜高校生の頃は、ボイスレコーダーなどもあまり(少なくとも学生には)メジャーなものでもありませんでしたから、テープレコーダーに自分の演奏を録っていました。

僕が通っていた学校では英語の授業でテープレコーダーを使うため一人一台支給されていたのです。

なのでテープだけ買って、練習は録音していました。

今はスマホのボイスメモとかがありますから便利な時代です。流石に、僕も今ではテープレコーダーではなくスマホを使用しています。

客観的に自分の音を聴いてみると意外な発見があったり、気付かないミスを見付けたりするものです。

ピアノとの付き合い方

僕は15歳くらいからやっと本気になってピアノに向き合いました。

でもその頃の僕はピアノが好きというより、指揮者になるためのツールでしかありませんでした。もっと言うなら「大学受験の一科目」くらいの認識だったかも・・・。

それでも小さいコンクールですが賞を頂いたり、音大の講習会を受けて同じ音楽を志す仲間に出会うことでピアノそのものを好きになっていたと思います。連弾をしたり、室内楽に混ぜてもらったりして、独奏楽器としてのピアノだけではなく、人と合わせる楽しみを見出せたのも大きかったと思います。

だから最初に書いた「好きでいることが一番」と言うのはあながち出まかせではないのです。

まあなんだかんだ偉そうに書きましたが、もし練習方法などに悩んでいる方がいらっしゃいましたら、何か参考になれば幸いです。

ABOUT ME
condzoomin
指揮者・ピアニスト・愛猫家。ショスタコーヴィチの作品研究と演奏をライフワークにしています。好きな日本酒は浦霞。