こんばんは。
いよいよ今年も残り1週間を切りました。
年末の風物詩といえば「第九」かもしれませんが、僕にとってはそれと同様に「医科学生ウィンドオーケストラ」の演奏会も年末を代表するイベントです。
今年の医科学生ウィンドオーケストラ(以下、医科吹)の演奏会は、12月26日。つまり明日ですね。
ここで、そもそも医科吹とはどういう団体で、どういう歴史を歩んできたのか、ここで振り返ってみようと思います。
医科学生ウィンドオーケストラとは
医科吹とは「医科学生」の名の通り、医療系の学部に通う大学生で構成された吹奏楽団です。
僕は身内に医療関係者がいながら全く知らなかったのですが医療系学部は驚くほど音楽系の活動が盛んで、特にオーケストラは学校ごと、学年ごとに存在している他、夏休みや春休みには全国の学生が集う大規模な演奏会もあります。
しかし、オーケストラは多く存在していながら吹奏楽の団体は殆ど存在していませんでした。
そこで2014年に発足したのがこの「医科学生ウィンドオーケストラ」です。
メンバーは毎年演奏会ごとに募集がかけられ、演奏会を終えると解散。つまり全てが1回限りの演奏会です。
演奏会の参加メンバーになるには壮絶なエントリー合戦を勝ち抜かねばなりません。
第1回演奏会
記念すべき第1回目となる演奏会は2014年12月26日(金)に開催されました。
当時、僕は東京音楽大学の大学院1年生。
なぜ、この楽団に関わったかと言いますと・・・
第1回ということもあり、メンバーの集まり具合は楽器によって少しばらつきがありました。
テューバが100人規模の楽団なのに1人しかおらず、そこにピンチヒッターよろしく参加させて頂いたのです。(規定の人数に達しなかったパートは医療系大学以外からも募集がかかることがあります)
元々社会に出た時に吹奏楽の指導に携わりたいと思っており、作曲家としても名高い福田洋介先生の指導を実際に奏者として受けてみたくて楽器を背負って楽団に飛び込みました。
そのうち福田先生不在の時のリハーサルを任せて頂くようになり、翌年から正式に指揮者として招いて頂くことになったのです。
プログラムは、こんな感じでした。このプログラムをテューバ2人で全曲吹くというなかなかハードな演奏会でした。
第1部
吹奏楽のための「風之舞」/福田洋介
マーチ「ブルースカイ」/高木登古
たなばた/酒井格
第2部
ジャパニーズ・グラフィティX「時代劇絵巻」/星出尚志 編
ビック・バンド・コレクション/福田洋介 編
コパカバーナ /岩井直博 編
私のお気に入り/宮川彬良 編
ジャングル・ファンタジー/岩井直博 編
第3部
マゼランの未知なる大陸への挑戦/樽屋雅徳
アルメニアン・ダンス パート1/アルフレッド・リード
第2回演奏会
この年から正式に、医科吹の指揮者に就任。ありがたいことです。
プログラムは以下の通り。
第2回演奏会から、メインプログラムの重さが少しずつおかしな方向に・・・。
第1部
キャンディード序曲/レナード・バーンスタイン
さくらのうた/福田洋介
鳥之石楠船神~吹奏楽と打楽器群のための神話/片岡寛晶
第2部
シング・シング・シング/岩井直博 編
魔法にかけられて/鈴木英史 編
ルパン三世のテーマ/星出尚志 編
はとポッポの世界旅行!POPPO POPPO/杉浦邦弘
宝島/真島俊夫 編
第3部
マードックからの最後の手紙/樽屋雅徳
宇宙の音楽/フィリップ・スパーク
ちなみにメインプログラムの「宇宙の音楽」ではピアノを担当しました。
第3回演奏会
医科吹も第3回。3年目に突入です。
プログラムは以下の通り。
第1部
吹奏楽のための「ランナー・オヴ・ザ・スピリット」より「オープニング」/久石譲
アルヴァマー序曲/ジェームズ・バーンズ
カンタベリー・コラール/ヤン・ヴァンデルロースト
「千と千尋の神隠し」ハイライト/遠藤幸夫 編
第2部
ストームライダー組曲 /三浦秀秋 編
ディスコ・キッド/東海林修
ビッグ・バンド・コレクション/福田洋介 編
We Are The World/郷間幹男 編
お酒ソング・コレクション~酔奏楽の為の~/辻峰拓
第3部
星の王子さま/樽屋雅徳
「ミス・サイゴン」メドレー/ヨハン・デメイ 編
この年、「医科吹とは、青春だ」というキャッチフレーズが誕生。
確かに、その通りです。
僕も吹奏楽に青春を捧げた学生の一人。医科吹メンバーの皆さんと舞台を共にすることによって青春を回顧しています。
第1回春季演奏会
2016年度の医科吹は、これで終わりませんでした。
春休み期間を利用した合宿形式の演奏会「春季演奏会」が発足したのです。
春季演奏会の参加者は1週間の合宿を経て本番に臨みます。
プログラムはこちら。
第1部
天国の島/佐藤博昭
吹奏楽のための犬夜叉/和田薫
スケルツァンド/江原大介
オリエント急行/フィリップ・スパーク
第2部
ジャパニーズ・グラフィティXII/星出尚志 編
2008年NHK大河ドラマ「篤姫」より
オーメンズ・オブ・ラブ/真島俊夫 編
ミュージカル「レ・ミゼラブル」より/森田一浩
第3部
科戸の鵲巣-吹奏楽のための祝典序曲 / 中橋愛生
このプログラムを合宿初日に初めて顔を合わせたメンバーが7日間缶詰になって仕上げていくという超ハードなイベントです。
体力的にはかなり厳しいものでしたが、吹奏楽漬けの幸せな1週間でした。
第4回演奏会
4回目の演奏会。
第1部
アルセナール/ヤン・ヴァンデルロースト
風紋(原典版)/保科洋
「ピータールー」序曲/マルコム・アーノルド
第2部
ディズニー・ファンティリュージョン!/星出尚志 編
キャラバンの到着/福田洋介 編
アフリカン・シンフォニー/岩井直溥 編
JIN-仁-Main Title/渡部哲哉 編
ビッグ・バンド・コレクション/福田洋介 編
第3部
シェイクスピア・ピクチャーズ / ナイジェル・ヘス
「GR」よりシンフォニック・セレクション / 天野正道
第3部メインが2曲とも10分超えをしたのは初のことですね。また、第1部のメインも相当な重さでした。この辺から選曲がどんどん大変なことになっていっております。
第2回春季演奏会
春休みに行われる合宿形式の演奏会、第2回目です。
第1部
ジュビリーファンファーレ/福田洋介
民衆を導く自由の女神/樽屋雅徳
海の男たちの歌/ロバート・W・スミス
第2部
サウスランパートストリートパレード/岩井直溥 編
魔女の宅急便コレクション/福田洋介 編
ウエスト・サイド・ストーリー・メドレー/岩井直溥 編
第3部
アイヌ民謡「イヨマンテ」の主題による変奏曲/福島弘和
いにしえの時から/ヤン・ヴァンデルロースト
春季演奏会ではこの年から第1部、第2部をそれぞれ1曲減らして代わりに第3部にメイン曲を2曲設定するという方針に切り替わりました。
第5回記念演奏会
5回目の演奏会となる節目の年。
メインプログラムには第1回のメインとなった「マゼラン」を選曲。
聞いたところによると、元々医科吹が「マゼランを演奏したい」という思いのもとに誕生した団体だそうで、5年目となる年に再びマゼランを演奏するというのはなかなか良い試みだったと思います。
また、5回目の演奏会開催を記念したファンファーレが福田洋介先生により作曲され、この演奏会の冒頭に初演しました。
個人的には前からやってみたかったスパークの「ドラゴンの年」を指揮できたことが何よりの思い出ですね。
第3回春季演奏会
春季演奏会も3回目となりました。
だんだんこのハードな合宿にも慣れてきました。・・・が、
「宇宙の音楽」と「大阪俗謡による幻想曲」を共存させるなよ・・・
年々、曲の難易度というか、全曲を合計した時の総合的な難易度(とでも言うのだろうか)が上がっている気がする。
プログラムはこちら。
第1部
管打楽器のための祝典/ジェイムズ・スウェアリンジェン
吹奏楽のための「風之舞」/福田洋介
「千と千尋の神隠し」ハイライト/遠藤幸夫 編
第2部
西郷どん~メインテーマ~/下田和輝 編
交響組曲パイレーツ・オブ・カリビアン~呪われた海賊たち/ジョン・ワッソン 編,福田洋介 編補
スウィングしなけりゃ意味がない/真島俊夫 編
第3部
吹奏楽のための大阪俗謡による幻想曲/大栗裕
宇宙の音楽/フィリップ・スパーク
これを7日間の合宿のみで完成させるんだから恐れ入る。
第6回演奏会
遂に明日、第6回演奏会が開催されます。
吹奏楽への愛に溢れた約140名の学生が奏でる大迫力の音楽を聴きに、明日は是非めぐろパーシモンホールに足をお運びください。
プログラムは、以下の通り。
第1部
アルメニアン・ダンス パート1/A・リード
楓の詩(大編成版)/福田洋介
ペドロの奇跡の夜/樽屋雅徳
第2部
Make Her Mine -in swing-/福田洋介&郷間幹男 編
ラ・ラ・ランド/天野正道 編
クレイジー・ビーチ/天野正道 編
愛の讃歌/星出尚志 編
ビッグ・バンド・コレクション/福田洋介 編
第3部
フェスティバル・バリエーション/C.T.スミス
楓葉の舞/長生 淳
皆様のお越しをメンバー一同、お待ちしています。