泉です。こんばんは。
今日は台風のため、仕事もキャンセル。家で黙々と事務作業やら、納期間近の編曲の仕事をしておりました。
ひと仕事終え、休憩がてらTwitterを見ていると、こんなツイートが流れてきました。
実を言うと僕も、中学〜高校の6年間は吹奏楽部に所属しておりまして、毎年夏はコンクールの練習に精を出していました。
僕が中学生だったのはもう15年も前のことですから、当時とは自由曲の流行も違うとは思うのですが、今回は「音楽雑談」として、自分が学生の頃にコンクールにて演奏した自由曲と、その年の好きだった課題曲をついでに振り返ってみようと思います。
書き始めて思ったけどこの記事需要あるんですかね。
まあいいや、いってみましょう。
Contents
中学1年(2004年) ハチャトゥリアン/組曲《ヴァレンシアの寡婦》より
《ガイーヌ》《仮面舞踏会》などで有名な、アラム・ハチャトゥリアンの作曲した劇付随音楽。
劇音楽から6曲が抜粋され、管弦楽組曲として編曲されました。あまり生で聴く機会がないのが残念ですが・・・。
当時演奏したのは、
・第1曲 イントロダクション・・・スペイン風の旋律が用いられた序曲
・第4曲 コミック・ダンス・・・名前の通りおどけた雰囲気の舞曲。様々なテンポの楽曲が入れ替わり立ち替わり現れる。
・第6曲 ダンス・・・躍動感溢れる熱狂的な舞曲。
この年の課題曲でオススメなのは、田嶋勉作曲「エアーズ」です。
中学2年(2005年) ハックビー/バビロンの川のほとりで
エド・ハックビー(Ed Huckeby)という作曲家の事をご存知でしょうか。検索してもあまり多くの情報が出てくるわけではないですし、関連する検索という項目にはなぜかエド・はるみの事ばかりです。
バビロンの川のほとりで、というタイトルですが、旧約聖書の「詩篇」第137目の詩に同じタイトルが付けられています。
「バビロンの流れのほとりに座り、シオンを思って、私たちは泣いた」という一節で始まる。バビロン捕囚の後でイスラエル人がエルサレムを懐かしむ歌だそうですが・・・演奏していた当時はそんなことは勿論、全く知りませんでした。この詩を基にパレストリーナやフィリップ・デ・モンテがモテットを作曲しています。
ハックビーのこの作品もこの詩を基にしたものなんでしょうか。
僕が中学生の頃は他の学校もたまにハックビーの作品を演奏しているところを見かけましたが・・・今ではほとんど演奏されなくなりましたね。
この年のオススメ課題曲は佐藤俊介作曲の「サンライズ・マーチ」です。
中学3年(2006年) スウェアリンジェン/春の喜びに
スウェアリンジェンといえば《管楽器と打楽器のためのセレブレーション》や《ロマネスク》など有名な作品が多くありますが、その中では割と影の薄い作品かもしれません。
3つの楽章により構成されており、それぞれ第1楽章「冬の猛威」、第2楽章「春の目覚め」、第3楽章「喜びの式典」というタイトルが付けられています。
これらのタイトルが容易にイメージできる、素晴らしい楽曲だと思います。演奏していた当時は第1楽章の変拍子に少し苦戦した記憶がありますが。
余談ですが、ストラヴィンスキーの作品に《春の祭典》という曲がありますよね。僕は《春の祭典》を知る前にこの曲に出会っていたため、《春の祭典》も同じように喜びに満ち溢れたハッピーな曲だと勝手に思っていたことがあります。
この年のオススメ課題曲は山内雅弘作曲、「架空の伝説のための前奏曲」です。
高校1年(2007年) リード/アルメニアンダンスpart2より第3曲「ロリ地方の農耕歌」
遂に高校生。言わずと知れたアルフレッド・リードの代表作を演奏しました。
5つのアルメニア民謡がメドレーのように続けて演奏される《パート1》と(こちらの方が有名ですよね)、3つの楽章から成る《パート2》があり、理由は明らかにされていませんが別々の出版社から出版されています。
本来はパート1〜パート2を合わせて4つの楽章から成る組曲らしいですね。
詳しい説明は多くのサイトに掲載されていますし、当ブログでは割愛します。
この年のオススメの課題曲は、田嶋勉作曲「ピッコロマーチ」です。
高校2年(2008年) ジェイガー/シンフォニア・ノビリッシマ
この曲も吹奏楽ファンなら誰でも知っているような超名曲です。
今でも多くの楽団がこの曲を取り上げています。僕が指揮者を務めるアマチュアの吹奏楽団でも何回か演奏する機会がありました。
ジェイガーが当時結婚したばかりだった妻のルシルに捧げたというエピソードも有名ですね。
ちなみに、邦題は「吹奏楽のための高貴なる楽章」らしいです。この名前で呼ばれているところは見たことがありませんが・・・
この年のオススメ課題曲はちょっと悩んだんですが・・・内藤淳一作曲「ブライアンの休日」を推すことにしました。
高校3年(2009年) 高 昌帥/ウィンドオーケストラのためのマインドスケープ
いよいよ振り返りも最後の年。
2009年以降、この曲を取り上げる学校が急に増えたような気がします。
この曲は全部通すと約16分あるためコンクールでは演奏時にカットが行われるのですが、そのカットの仕方も学校によって違いがあり、コンクール会場で他校の演奏を聴くのも非常に面白かったです。
コンクールでの演奏時には大体カットされますが冒頭には打楽器アンサンブルによる幻想的な序奏が置かれています。その後複雑なリズムが絡み合う第1部と静寂の中で静かに歌われる第2部で構成されます。
昔ほどではありませんが現在でも人気は根強いようで、取り上げる楽団が多いみたいですね。
この年のオススメ課題曲は、諏訪雅彦作曲、「16世紀のシャンソンによる変奏曲」です。
中学、高校の吹奏楽部指導からは今は離れているため最近はどんな曲が自由曲として人気なのかは分かりませんが、毎年夏になると吹奏楽に青春を捧げたあの頃を思い出します。
来年度、またきっと多くのドラマが生まれるのでしょう。是非学生の皆さんには悔いのないよう、頑張ってもらいたいものです。
僕はとりあえず冒頭に紹介したツイートの番組の視聴を楽しみにしておくことにします。