2023年4月1日(土)
ロマーシュカ・フィルハーモニー創立記念演奏会でした。
このオーケストラは2019年に「ショスタコーヴィチの戦争三部作を演奏しよう!」という目標を掲げて結成された団体で、2020年9月に第1回公演を開催する予定でした。
しかし、新型コロナウィルスの影響で一度もメンバーが顔を合わせることなく活動が無期限休止に。
今回、約2年半の時を経て遂に演奏会の開催に漕ぎ着けました。
「戦争三部作」とは交響曲の第7番から第9番までの総称で、3回の演奏会でこれら全ての交響曲に取り組むのが団としての目的です。
今回の第1回演奏会は、交響曲第7番《レニングラード》をメインプログラムに掲げて、前半には滅多に演奏されることのない交響詩《十月革命》をカップリング。
ショスタコーヴィチの魅力溢れる2曲を演奏しました。
コロナ禍で大編成の楽曲は諦めざるを得ず、プログラムの変更を余儀なくされたケースにも幾度となく遭遇していました。杉並公会堂の舞台に所狭しと並ぶ椅子と譜面台を見て、ここまでの大編成ができるようになったのだと感動していました。
ゲスト・コンサートマスターには東京シティフィルの高宮城凌先生をお迎えし、また弦楽器各パートにはいつもお世話になっているプロ奏者の先生方に首席奏者をお願いしており、演奏をリードして頂きました。
交響詩《十月革命》の演奏シーン。15分ほどの作品ながらとんでもない難曲でした。講師の先生方も「難しすぎる」と感想を漏らすほど・・・
交響曲第7番《レニングラード》は、3管編成のオーケストラに、金管楽器の別働隊が10人。ピアノと2台のハープまで加わった巨大な編成。
編成の巨大さだけでなく演奏時間もショスタコーヴィチの交響曲の中では最長で75分〜80分ほど。まさに「大曲」です。
高宮城先生のリードにより一糸乱れぬアンサンブルを披露する弦楽器セクション。来場者の皆様からも「弦楽器のサウンドが分厚くて管楽器が本気を出していた」「弦楽器のレベルが高い」とお褒めの言葉を頂きました・・・!
長大な交響曲は打楽器の一打で打ち切られます。描かれたのは戦争の勝利か、それとも・・・
今回の演奏会では途方もない充実感と、終わってしまった寂しさで胸がいっぱいでした。
演奏会の開催にあたりご指導頂いた講師の先生方、この難曲に挑戦しようと集まってくれた演奏者の皆様、陰で支えてくれたスタッフや運営の皆様、そして何よりこのオーケストラのデビューを見届けてくださった約400人のお客様に、心より感謝致します。
次回の演奏会は少し空いて2024年秋頃を計画しています。
また次の目標に向けて一歩一歩歩んでいきたいと思います。