公演レポート

当たり前と思っていたことの有り難みを実感した話

こんにちは。

3月も10日が過ぎましたね。

時間の流れるのは早いものです。いつも言っている気がするけど。

3月の最初の1週間は、本来であれば「医科学生ウィンドオーケストラ第4回春季演奏会」の開催に向けて、山梨での合宿に臨んでいるはずでした。

ですが、知っての通り現在は多くの演奏会・イベントが自粛中。

医科学生ウィンドオーケストラ春季演奏会(通称、春吹)も、公演の中止をせざるを得なくなってしまいました・・・。

ですが、1年かけて準備してきたこのイベントがただ潰れてしまうのはあまりにも惜しい。

この演奏会をもって楽器からしばらく離れる学生も(卒業など)いる。不完全燃焼かもしれないが、何か形に残したいという思いから公演が予定されていた3月9日に予約してあったホールに集い、1日だけ練習をして、最後にレコーディングをしようということになったのでした。

現在はプロのオーケストラも、無観客でのライブ配信などの方法で自身の演奏を世間に届けようとしております。

この試みは、とても素晴らしいと感じました。

全くのゼロになってしまうわけではなく、自分たちの手元に形として残せるのは、非常に嬉しいことだと思います。

2020年3月9日(月)

あいにくの天気ですが、とうとうこの日がやってきました。

会場は、東新宿にある新宿文化センター。

他の楽団の公演でも何度もお世話になっている会場です。

本当ならここに8日間の練習を経てたどり着いていたのですが、やはり悔しい気持ちはありますね。

本当に大好きな仲間たちなので、万全の準備をして公演に臨み、多くのお客様にその演奏を聴いて欲しかった・・・。

ですが、中止になったとはいえ1日だけでも舞台で仲間と演奏が出来るという期待に胸をふくらませて会場入りしました。

設営を終えたら早速リハーサル開始。

今回は演奏するはずだったプログラムから5曲選び、それらの曲を収録します。

曲によって違いますが用意されたリハーサル時間は最長のもので90分。プロオケも真っ青な強行スケジュールですね。

どの曲もやりたいアイディアがたくさんあり、それら全てを伝えきれないのが悔しいところではありますが、メンバー一同驚異的な集中力で曲に取り組んでいきます。

こんな感じの写真も撮ってくれました

全曲のリハーサルを終えて、最後に1曲ずつ通し合奏。これを録音・録画して後日メンバーに共有します。

本当にあっという間のイベントでした。

たった1日でしたが集中して曲に取り組み、それを披露する。メンバーの顔も、達成感に満ち溢れていたように感じます。

合宿が中止になったことで3月の最初の8日間、僕は仕事が完全に無くなった状態でしたので、家にこもって一人黙々とピアノに向かう日々を送っていました。

指揮台に上がることや、舞台で大勢の演奏者と共に音楽を共有するということを、どこか当たり前に感じてしまっていたような気がします。

今回行われたこの企画で、それらのことが決して当たり前ではないということ、そしてどんなに有り難いかを実感しました。

まだまだ自粛ムードは続きそうですが・・・音楽ができることの幸せを感じ、真摯に向き合い、これからも演奏活動を続けていこうと思えた1日でした。

3月はこれからも仕事の無い日々が続くことになりますが、再び世間に自分の演奏を届けられる日に向けて今日も黙々と勉強を続けています。

ABOUT ME
condzoomin
指揮者・ピアニスト・愛猫家。ショスタコーヴィチの作品研究と演奏をライフワークにしています。好きな日本酒は浦霞。